顧客満足度向上に繋がるワンランク上の電話応対

先日、個別相談に来られた方とのお話のなかで
残念に思った金融機関の方の電話応対についてご案内します。

相談内容は資産形成に関することでしたが
普段ご利用になられている金融機関に相談に行かれなかったのには理由がありました。

金融機関の方からかかってきた電話は「何かお困りごとはございませんか?」でした。

日頃から、金融機関の窓口や電話でやりとりのあるお客さまや
金融機関の方に「困っていることがあるから、ぜひ聞いてもらいたい」と思っているお客さまなら
この質問でも話の広がりがあったかもしれません。

ですが、今回は「金融機関に口座はあるけれど日頃から接触の少ないお客さま」です。

「お客さま」といっても、その方の周辺環境や事情は様々です。

今回、金融機関の方が行ったテレフォンマーケティングは
お客さまに対して商品やサービスの販売促進を行う電話業務ですから
金融機関の方は何か目的をもって電話をされたことでしょう。

もし、自分には目的がないけれど、業務の一環として電話をかけただけなら
この質問でもよかったかもしれません。
ただ、業務の一環でかけただけだったとしても、せっかくお客さまに繋がった1本の電話ですから
それはそれで、声のかけ方に工夫があった方がよかったと思いますが。

今回は、目的のあるテレマ、あるいは目的はなかったとしても
お客さまから「そういえば…」と会話が続き、自分のところに来てもらえる声のかけ方について
考えてみます。

どのような声のかけ方だったら反応してもらえるでしょうか。
大事なのは、お客さまが関心がありそうなことを話の内容に入れることです。

今回の電話をかける相手が、片思いをしている人だったとします。
どんな言葉をかけるかとても悩むとことと思います。
そして、おそらく「共通の話題」を取り入れることが多いと思います。
なぜなら、相手に関心をもってもらえそうだからです。

「類は友を呼ぶ」という有名なことわざがありますが
(心理学では「類似性の法則」と呼ばれています)
私達は、関心をもってもらいたい人に対しては、無意識に、また意識的に共通の話題を探しています。

テレマでも考え方は同じです。
今までに一度でも関わりのあるお客さまなら
(自分はお客さまと接したことがなくても、社内で誰かが接したことがあるものを含みます)
その方の最低限の情報はお預かりしているはずです。
それだけで、ゼロからではなく、1も2も進んだ声のかけ方ができます。

例えば、お客さまが私のような40代の女性で高槻市に住む人だったとします。
40代の女性が心配に思っていることは何かを考えてみます。

将来のお金のことや年金、健康面で周囲に迷惑をかけないか、親の介護費用のことなどが
あげられます。
では、金融機関がその心配を安心にかえるためにできるお手伝いは何でしょう。

40代の女性といっても、約900万人もいますから悩みや心配ごとは千差万別です。
電話での言葉が、必ずお客さまの心配ごとなどの解決に結びつく一言ではないかもしれません。

ですが、これから自分がお話をする方が、どういう方だろうか?どんなことを気にされているだろうか?
と連想していけば「お困りごとはございませんか?」に変わる言葉があり
もう少し配慮のある声かけで話が広がる可能性がある、ということです。

目の前にお客さまがおられず、その方の感情や表情が読み取りにくい電話応対だからこそ
繋がった1本の電話での会話はとても大切です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です