住宅ローンの変動金利が気になる方へ

コラム

住宅ローンの変動金利が気になる方へ

                              2010年4月19日

初めて住宅ローンを組む子育て世代も、住宅ローンの見直しを考えている子育て世代も、将来の子どもの教育費を考えると、住宅ローンの金利の種類は、基本は固定金利で考えたいところ。ですが、低い金利の変動金利やミックス(固定+変動)金利は、魅力的にうつるのが本音だと思います。

例えば、借入金額が3,000万円、返済期間30年、返済方法は元利均等返済(ボーナス払いなし)の相談者Nさんご家族(夫35歳・会社員、妻32歳・現在は専業主婦)は、金利の種類①固定金利2.8%②変動金利1.2%で悩んでいます。お子様は2人いらっしゃいますが、生活予備費、教育資金の準備、収入に対する返済比率に問題はないものとします。

単純に返済額を計算すると

毎月返済額 総返済額
①全期間固定金利 2.8% 123,268円 44,376,322円
②全期間変動金利 1.2%  99,272円 35,737,974円

となります。①と②では毎月返済額で24,000円の差額、総返済額で約863万円の差額がでます。

これだけ見ると、変動金利がとても魅力的に見えます。ですが、この数字は、変動金利がこのまま続けば、という仮定に基づいています。変動金利は6カ月ごとに見直されますから、半年後に1%上昇する、ということもあり得ます。

確かに、過去10年間の変動金利動向を見ると1%~2%台と低金利です。
ですが、過去20年間にわたる都市銀行の変動金利は平均約4%となっているのも事実です。

つまり、金利上昇リスクは潜んでいるので、安易に変動金利を選択するのはオススメできません。

もし、どうしても変動金利を選択したい!とお考えの方や、会社提携ローンで変動金利しか選べない!という方には、固定金利で計算した場合の毎月返済額と変動金利で計算した場合の毎月返済額の差額(上記の例でいえば毎月差額24,000円)を、「住宅ローン繰り上げ返済専用貯蓄口座(※勝手に命名しているものです)」に蓄えていき、金利が上昇してきたら、専用口座から繰り上げ返済することを提案いたします。

①②以外の金利の種類の選択肢として、個人的には

②全期間固定金利 + 変動金利(例:固定 8:変動2 の割合、変動金利は3年後から1年後ごとに0.5%ずつ金利上昇し3.5%~4.0%で一定としてシミュレーションしてみる)
③10年固定金利 (例:11年目以降の適用金利を3.5%~4.0%としてシミュレーションしてみる)

という考え方もあると思います。

金利上昇リスクについて「もし仮に…」という話は、いくらでも例をあげてお話はできますしシミュレーションもできますが、「万が一、仮定を上回る金利上昇が起こったら…」ということは、念頭に入れておかなければいけません。

住宅ローンの金利の種類の基本は、あくまで「全期間固定」です。先程も述べましたが、どうしても変動金利を選択したい、しなければいけない、という方は、今回ご紹介しました「住宅ローン繰り上げ返済専用貯蓄口座」をご検討されるとよいかと思います。