教育

大学の講師アンケートの結果から思ったこと

昨年秋からお引き受けすることになった、大学のキャリアデザイン科での「ファイナンシャル実務総論」の授業評価アンケートの結果が手元に届きました。
このアンケートは、受講した学生さん達が自分自身の受講態度に対する評価や、講師の授業内容や意欲を評価するもので、全部で16の設問があります。

講師の評価で一番高かったのは「教員に熱意が感じられた」、続いて「板書や配付資料の内容・表現はわかりやすかった」「教員の説明の仕方はわかりやすかった」でした。
一方、来年度の秋学期授業で課題となったのは、学生さん達の授業に対する理解度と難易度となりました。

大学側のアンケートや課題レポートの感想で、
「すごく面白いけど難しい」
「ためになるけど難しい」
「FP3級に挑戦しようと思ったけれど、今年は無理!」
「難しいけど、知らないまま社会人になってはいけない知識ばかり」
「株とか投資とかめっちゃ興味あったけど難しかった」
「お金のことについて知識が増える」
という意見やそれに類似した意見がいくつもありました。

私の役割は、1回90分・全30回の「ファイナンシャル実務総論」で、FP3級を取得することができるレベルまでの受検課目すべての内容を教えることと、FPの実務事例や生活に活かせるお金の知識や情報の取り方を教えることです。

FP実務の事例を聞いたり、自分自身や両親・祖父母に関係する内容を聞いたりすることで、FPに興味を持ってもらえましたが、FP3級を取得することはハードルが高いことがわかりました。

なぜハードルが高いのか?
それは、「税金」「年金」「介護」「健康保険」「保険(生保・損保)」「経済・金融・資産運用」「不動産(法律と税金)」「相続(法律と税金)」について、学校で教えてもらったことがないからです。
学校で教えてもらう教科は、大きく分けて「国語」「算数(数学)「理科」「社会」「英語(外国語活動)」ですが、これらはまず小学校1年生から6年生までの間に、年齢に応じて繰り返しながら、少しずつ深く教わります。中学校ではさらに深く教わり、高校ではさらに細分化され、自分の強みに応じて深く掘り下げます。
ところが、「身の回りのお金のこと」については、一生かかわることなのに教わることがありません。
近年、FPの資格講座や実務を選択制で学べる大学が増えてきましたが、必須科目ではありません。
では社会人になればどうでしょうか?社会に出て数年は、日々の仕事をすることで精一杯で、自らが時間をとって学ぼうとしない限り、人生にかかわるお金のことを体系的に学べるチャンスは低いでしょう。

私が昨年受け持った授業の学生さんのなかには、「相続で揉めているときに、自分はただ聞いているだけで何も手助けできなかった。」「住宅ローンのことで両親が話し合っているのを聞いたことがあるけれど、自分は話のなかに入れなかった。」他にもいくつか自分のふがいなさに落ち込んだ話を教えてくれました。
そして、彼らが口を揃えて言うのは「この授業を聞いていれば、何かしてあげられることがあったと思う」です。

「面白かった」「ためになった」「この授業を選択してよかった」という評価は嬉しいですが、それで終わらず「難しいけれどもっと学びたい、FP3級を取りたい」と意欲的に復習に取り組んでもらえるよう、来年度の秋学期はバージョンアップさせていく内容を今から少しずつ準備中です。

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