認知症予防につながるアロマセラピーとは
介護現場では、認知症予防につながるという研究データに基づき、デイサービスや施設でもアロマセラピーを取り入れている事業所が増えています。
今日は、アロマセラピーの正しい知識や使い方を勉強してきましたので、その内容と自宅でも簡単にできるアロマセラピーについて、簡単にご紹介します。
- アロマテラピーとは・・・
Aroma + Therapy → Aromatherapy
(芳香) (療法) (芳香療法)
医療の原点となる植物から抽出される精油(エッセンシャルオイル)(※)を使い、自然治癒力を高め、心と身体のバランスを整え、健康維持に役立てる『自然療法』の一種です。
(※)精油(エッセンシャルオイル)とは…植物の花、葉、樹皮などから丁寧に抽出された100%天然の揮発性の芳香物質です。
- アロマセラピーのメカニズム
①鼻から大脳へ(一番原始的で簡便)←自宅でオススメ
②口(呼吸)・鼻から肺へ
③皮膚から毛細血管へ
近年の研究で、認知症を発症すると、「嗅神経(きゅうしんけい)=嗅覚を司る神経」が最初にダメージを受けるとわかってきました。そして、嗅神経のダメージが少しずつ「海馬(かいば)=記憶を司る脳神経」に伝わり、記憶機能を破壊しながら脳全体の機能を低下させていく、それが認知症を発症するメカニズムです。
つまり、その嗅神経のダメージを軽減・修復できれば、認知症の予防や改善につながるということになります。
(例)いくつかの施設で、徘徊癖のある方に就寝前にラベンダーの香りを嗅いでもらったら、その日は徘徊しなかったといいます。
- 自宅で簡単にできるアロマセラピー
もっとも簡単にできる方法をご紹介します。
ティッシュペーパー、コットン、ハンカチに精油を1~2滴おとして、枕元やデスクの上など身近に置いて香りを楽しみます。
高齢者には、よく眠れない、眠れているかどうかわからない、という人が多いです。
就寝時にアロマセラピーの効果をより感じるには、パジャマの襟元に1滴おとし、そのまま寝るといいでしょう。
- 天然物と化学合成物の簡単な見分け方
瓶のラベルがポイントになります。
- Pure essential oilと書かれている
- 英字で花の名前が書かれている(例)LAVENDER
- 学名(ラテン語)が書かれている(例)Lavandula angustifolia
- 抽出方法が書かれている(例)水蒸気蒸留法
- 抽出部位(花、葉、果皮など)が書かれている
- 原産国や販売元、ロット番号が書かれている
「ロット番号」とは産地や製造年などが細かく調べられる管理番号です。
ワインのように考えると分かりやすく、収穫量などの違いで、毎年価格は変動します。
「同じ精油名」だとしても毎年価格は変わり、種類によっても価格が異なるのが本物である証拠の一つです。
(参考)精油は1瓶(10ml)1000円以上します。精油によっては1瓶1万円を超えるものもあります。通常精油は1滴=0.05mlのため、10ml瓶で200滴ですね。
雑貨屋さんや100均スーパーでアロマグッズとして販売されている安価なものは、化学的に似たような香りをつけた商品もありますが、嗅神経を効果的に刺激する植物由来の成分は含まれていないので、「アロマ」にはなるけれど、「アロマセラピー」にはなりません。
必ず天然由来の精油を使いましょう。
- 自分に合った精油とは
精油を購入するときは、効能から選択するよりも、精油の香りを色々と嗅いでみて、好きな香りに決めましょう。
理由は、香りに限ったことではありませんが相性があるからです。
例えば、ラベンダーはリラックス効果が高いと言われていますが、あなたにとってはリラックスするどころか、その香りが気になり落ち着かないということがあるかもしれません。
とはいえ、精油選びの指針がないと困ってしまいますので、下記に定番の精油をご案内します。
■ラベンダー・・・リラックス効果、殺菌効果、女性ホルモンバランスの分泌促進・バランス作用
■ペパーミント、ユーカリ・・・殺菌効果、消化器系の調子を整える(鼻づまりやのどの痛みなど呼吸のコンディションを向上させる)
■レモン・・・免疫力高める、殺菌効果
■ローズマリー・・・頭脳明晰作用、血流を良くする
■ゼラニウム・・・女性ホルモンバランスの分泌促進・バランス作用、虫よけ
■イランイラン・・・鎮静効果、血圧を下げる
新しい種類の精油が増えていますが、定番のものは効能のデータが十分に取れていますので、これからアロマセラピーを始めたい方は、まずは定番の精油をお使いになるといいでしょう。